なぜそのデザインを選んだのか、説明できますか?

デザインの打ち合わせをしていると、
ときどき、こんな場面に出会います。

「なぜこのデザインにしたんですか?」
そう聞いたときに、
少し言葉に詰まってしまう瞬間。

悪いことではありません。
むしろ、とても自然なことだと思っています。


「なんとなく良い」は、間違いではない

デザインを見て、
「なんとなく良い」
「直感的にしっくりくる」

この感覚は、とても大切です。

頭で考える前に、身体が反応している証拠でもあります。
だから、「感覚で選ぶこと」自体が間違っているわけではありません。

ただ、そこで一度だけ、
立ち止まってみてほしいのです。


説明できないとき、見えていないものがある

「なぜそれを選んだのか」を
言葉にしようとしたときに、
うまく説明できない場合。

それは、
デザインが悪いからではなく、
まだ自分の中で整理しきれていないだけかもしれません。

誰に向けているのか。
どんな場面で使われるのか。
何を一番伝えたいのか。

その前提が、
頭の中で少し曖昧なままなのかもしれません。


見た目の話より、視点の話

デザインを選ぶ理由は、
色や形の好みだけではありません。

  • 使う人の立場
  • 見るときの状況
  • 置かれる環境

どの視点に立って考えているかで、
「正しそうに見えるデザイン」は変わってきます。

つまり、
デザインの違いは、センスよりも視点の違い

そう感じることが、よくあります。


言葉にしようとすることで、輪郭が見えてくる

「なぜこれなのか」を
無理にでも言葉にしようとすると、
少しずつ輪郭が浮かび上がってきます。

「誰のためか」
「どんな場面か」
「何を避けたいのか」

言葉にできた分だけ、
デザインは立体的になります。

逆に言えば、
言葉にできない部分は、
まだ考える余地が残っている、ということでもあります。


デザインは、選んだ理由ごと伝わる

完成したデザインを見る人は、
その背景まで詳しくは知りません。

でも不思議なことに、
選んだ理由が整理されているデザインほど、伝わりやすい

説明できるから良い、のではなく、
考え抜かれているから、自然と伝わる。

そんな場面を、何度も見てきました。


もし、説明に詰まったら

もし今、
「なぜこのデザインなのか」と聞かれて
少し迷いが生まれるなら。

それは、ダメなサインではありません。
むしろ、
もう一段、深く考えられる入口です。

視点を少し変えてみる。
前提を問い直してみる。

その先に、
今よりしっくりくる答えが
見えてくるかもしれません。