「あの人はセンスがある」
「自分にはその感覚がない」
デザインの話になると、
よくこんな言葉を耳にします。
確かに、
パッと見ただけで「良い」と感じさせる人はいます。
でも、この仕事をしていて思うのは、
センスの差だと思っていたものの多くは、
少し違うところにある、ということです。
センスの正体は、積み重ねた視点
センスがあるように見える人は、
ただ感覚で選んでいるわけではありません。
・誰に向けているのか
・どんな場面で使われるのか
・どんな反応を想定しているのか
そうした視点を、
無意識のうちにいくつも重ねています。
見ている景色が立体的だから、
選択が自然に見える。
外からは「センス」に見えても、
中では思考が動いています。
「なんとなく」の裏側
「なんとなく、こっちがいいと思った」
この言葉の裏には、
過去の経験や観察、失敗の記憶が隠れています。
たくさん見てきたから。
たくさんズレてきたから。
判断の速度が速くなる。
それをひとまとめにして、
センスと呼んでいるだけかもしれません。
比べるとき、見ている場所が違う
センスの差を感じるとき、
多くの場合、
比べる基準が曖昧です。
仕上がりだけを見て、
そこに至る過程を見ていない。
視点の数や、
前提の整理の仕方までは見えません。
だから、
「才能が違う」と思ってしまう。
視点は、増やすことができる
視点は、特別な人だけのものではありません。
立ち位置を意識する。
現場を想像する。
違和感を拾う。
そうやって少しずつ増えていきます。
センスを磨く、というより、
視点を重ねていく。
その結果が、
外から見ると「センス」に見える。
自分にはない、で終わらせない
もし誰かの仕事を見て、
「自分にはない」と感じたら。
そこで止まるのではなく、
「どこから見ているんだろう」と考えてみる。
見方が変われば、
選び方も変わります。
センスの差だと思っていたものは、
もしかしたら、
視点の数の違いかもしれません。
