「誰」を見て作っていますか?デザインの違いは「センス」ではなく「視座」で決まる。

こんにちは、株式会社ゆしのけデザインの渡邉です。

世の中には、いろいろなデザインがあります。 派手なもの、静かなもの、温かいもの、鋭いもの。

これらを見て、「センスがいい」「悪い」と評価するのは簡単です。 しかし、僕たちプロがデザインを見るとき、センスよりも先に気にしていることがあります。

それは、 「この作り手は、どこを見てデザインしたのか?」 ということです。

実は、デザイナー(あるいは発注者)が「誰を見ているか」によって、出来上がるデザインは全く別物になります。 今日は、その「視座」の違いについてお話しします。

1. 「自分」を見ているデザイン

「俺はこういうカッコいい表現がしたい」 「私は今、このフォントが好きだから使いたい」

これは、視線が「自分」に向いている状態です。 ここから生まれるのは、デザインではなく「アート(自己表現)」です。

個人の作品なら素晴らしいことですが、ビジネスにおいては危険です。 「作り手の満足」が最優先され、見る人が置いてけぼりになるからです。

2. 「目の前のクライアント」を見ているデザイン

「社長が赤が好きだと言ったから、赤にしよう」 「担当者が丸文字がいいと言うから、そうしよう」

これは、視線が「発注者」に向いている状態です。 一見、誠実な仕事に見えます。 しかし、これだけでは「御用聞き」で終わってしまいます。

社長が喜んでも、その先のお客様(エンドユーザー)に響かなければ、その広告は失敗だからです。

3. 「その先のお客様」を見ているデザイン

「社長は赤が好きと言うけれど、ターゲットの30代女性は今、くすみカラーを求めています」

視線が、クライアントを飛び越えて「エンドユーザー」に向いている状態。 ここまで来て初めて、ビジネスとして機能する「商業デザイン」になります。

好みよりも「売れるかどうか」を優先する。 プロとして最低限必要な視座はここです。

4. 「地域」や「社会」を見ているデザイン

そして、もう一つ上の段階があります。 それが、「地域」や「日本全体」を見ているデザインです。

「この看板は、袖ケ浦のこの景観に馴染むだろうか?」 「このチラシを出すことで、地域のブランド価値は上がるだろうか?」

単に商品を売るだけでなく、そのデザインが存在することで、街の空気や社会の意識を少しだけ良い方向へ動かそうとする視点。

ここまで視座が高くなると、デザインには「品格」や「説得力」が宿ります。 長く愛される老舗企業や、地域一番店のデザインが優れているのは、見ている範囲が広いからです。

どこまで遠くを見て、ペンを握れるか

デザイン制作は、つい手元のモニターや、目の前の担当者の顔色ばかりを見てしまいがちです。

しかし、 「自分」→「相手」→「お客様」→「地域」→「社会」 と、視界を広げれば広げるほど、選ぶべき色や言葉は変わってきます。

今、あなたが作ろうとしているものは、どこを見ていますか?

もし、「ちょっと自分本位になっていたな」とか「社長の顔色ばかり見ていたな」と気づいたら、一度顔を上げて、窓の外の「地域」を見てみてください。

きっと、今までとは違うデザインの正解が見えてくるはずです。


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