未来のことを考えるとき、
正解はまだありません。
過去なら調べられます。
数字もある。
事例もある。
誰かが経験した答えもある。
でも、これから起こることには、
まだ答えがありません。
だから未来を描こうとするときは、
理屈だけでは足りないことがあります。
そんなときに働くのが、
直感なのかもしれません。
「なんとなく、こっちだと思う。」
「理由は説明できないけど、これは違う気がする。」
「もう少し変えた方がいい気がする。」
こういう感覚です。
仕事をしていると、
ときどき違和感を覚えることがあります。
一見すると問題はない。
文章も間違っていない。
レイアウトも整っている。
色もおかしくない。
でも、
何か違う。
この「何か違う」は、
けっこう大事だと思っています。
違和感というと、
悪いもののようにも聞こえます。
でも実際には、
自分の中に蓄積されてきた経験が、
「ちょっと待て。」
と教えてくれているのかもしれません。
今まで見てきたもの。
失敗したこと。
うまくいったこと。
人と話したこと。
街を歩いて感じたこと。
仕事以外で経験したこと。
そういうものが、自分でも気づかないところで混ざって、
「これは違う。」
という感覚になって出てくる。
だとしたら、
違和感は、直感力のたまものです。
デザインをしていると、
この感覚によく出会います。
パソコンの画面を見ながら、
「きれいなんだけど違う。」
と思う。
もう少し文字を小さくしてみる。
違う。
写真を変えてみる。
まだ違う。
余白を増やしてみる。
すると、
「あ、これだ。」
となる瞬間があります。
なぜ最初から分からなかったのか。
なぜ数ミリ動かしただけで良く見えるのか。
すべてを言葉で説明できるわけではありません。
でも、その感覚を無視すると、
だいたい後から気になります。
これはデザインだけではないと思います。
新しい仕事を始めるとき。
誰かと何かを始めるとき。
会社の方向を考えるとき。
新しい場所へ進もうとするとき。
まだ未来には答えがないからこそ、
最後のところでは、
自分が何を感じるかが重要になります。
もちろん、直感だけで全部を決めればいいという話ではありません。
調べる。
考える。
比較する。
人の話を聞く。
数字を見る。
できることは全部やる。
そのうえで、
最後に残った小さな違和感を無視しない。
それくらいが、ちょうどいい気がします。
未来は、過去の答えを並べただけでは描けません。
まだ存在していないものを考えるなら、
少しくらい、
「こっちの気がする。」
を信じてもいい。
そして、
「何か違う。」
と思ったなら、一度立ち止まって考えてみる。
その違和感の中に、
まだ言葉になっていない答えがあるかもしれません。
デザインも同じです。
正解を探すだけではなく、
まだ見えていないものを形にする。
だからこそ、
未来を描くときは、直感力を働かせる。
そして、
違和感を、雑に捨てない。
その感覚の先に、
新しいものがある気がします。
