「いいロゴができたら、自信を持って営業できる」 「ホームページが新しくなれば、社員の空気も変わる」
打ち合わせで、そんな期待の言葉をいただくことがあります。 現状を変えるきっかけとして、デザインを頼りにしていただく。 それは作り手として、とても嬉しいことです。
ただ、多くの現場に立ち会う中で、ふと気づいたことがあります。 順番が逆なんだなと。
今日は、デザインが出来上がっていく時の、ちょっと不思議な「時差」の話です。
笑うから、楽しくなる
「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」
心理学の世界には、そんな言葉があるそうです。 「本当かな?」と思いましたが、デザインの現場でも、これによく似た現象が起きます。
まだ何も形になっていなくても、 「この事業がうまくいったら、こんな世界になるよね」 と、社長が子供のようにワクワクして話している時。
その横でメモを取っていると、不思議と頭の中に、鮮やかで力強いデザインの輪郭が浮かんでくるのです。
逆に、「今のままじゃマズイから、なんとか見栄えを良くしたい」と、眉間に皺を寄せている時は、どうしてもデザインまで、どこか窮屈なものになってしまう。
良いデザインが、人を笑顔にするのではありません。 人の笑顔(ワクワクした熱量)が、良いデザインを引き寄せているのです。
イメージに、現実が追いつく
デザインとは、魔法を使ってゼロから何かを生み出すことではありません。 皆さんの頭の中にある「まだ見ぬ景色」を、現像液に浸して、目に見える形に浮かび上がらせる作業です。
だからこそ、まずは「笑ってみる」ことが大事なのかもしれません。
現状がどうであれ、 「うまくいった自分たちなら、どんな顔をしているか」 「最高の結果が出た時、どんな言葉を使っているか」
そうやって、先に「成功した未来の空気」をまとってみる。 すると、デザインはそのイメージに引っ張られるようにして、ピタリとハマる形に収まっていきます。
嘘が、誠になる瞬間
最初は「ハッタリ」でもいいと思います。 根拠のない自信でも、先に「楽しい」という旗を立ててしまう。
そうして出来上がったデザインは、最初は少し「身の丈に合わない」と感じるかもしれません。 でも、その「ちょっと背伸びしたデザイン」に合わせて動いているうちに、いつの間にか現実の方が追いつき、それが当たり前の姿になっていく。
デザインには、そんな「時間の調整機能」があるような気がします。
だから、難しい顔をして悩む前に、まずは「楽しい未来」の話をしましょう。 笑いながら描いた設計図は、必ず、楽しい現実を連れてきますから。
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