デザインが変わる前に、視点が変わっている

「今回はデザインを大きく変えたわけじゃないんですけど、
なぜか前より反応が良くて。」

そんな話を聞くことがあります。

よくよく話を聞いてみると、
色やレイアウトを大きく変えたわけではない。
使っている素材も、ほとんど同じ。

でも、決定的に違う点が一つだけあることが多いのです。


変わったのは、デザインではなかった

その違いは、
見ている相手が変わったこと

・誰に向けているのか
・どんな場面で見られるのか
・どんな気持ちでそれに触れるのか

そこを考え直しただけで、
選ぶ文字、余白、強調するポイントが
自然と変わっていった。

結果として、
「デザインが変わったように見える」。

でも実際には、
視点が先に動いていた、というケースです。


視点は、気づかないうちに固定される

一度決めた前提は、
思っている以上に強力です。

「この人向けだよね」
「このくらい分かるはず」
「前もこれで大丈夫だった」

そうやって、
いつの間にか同じ場所から
同じ景色を見続けてしまう。

デザインが停滞するとき、
多くの場合、
この「視点の固定」が起きています。


視点が動くと、判断が軽くなる

面白いのは、
視点が変わった瞬間、
判断がスムーズになることです。

「これは削っていいな」
「ここは目立たせすぎない方がいい」
「この情報、いらないかもしれない」

迷っていたはずなのに、
急に判断できるようになる。

答えを見つけたというより、
見る角度が変わっただけなのかもしれません。


デザインは、視点の結果として現れる

だから私は、
デザインを考える前に、
必ずこう考えます。

「今、どこから見ているだろうか」
「この視点、固定されていないだろうか」

視点が変われば、
デザインは後からついてくる。

逆に言えば、
視点が変わらない限り、
どれだけ手を動かしても、
大きな変化は起きにくい。


もし、行き詰まりを感じたら

もし今、
デザインがしっくりこない。
直しているのに、前に進んでいない。

そんな感覚があるなら、
デザインを疑う前に、
自分の視点を疑ってみてください。

誰を見ているのか。
どこに立って考えているのか。

そこが少し動くだけで、
次の一手は、
案外すんなり見えてくるかもしれません。